風俗営業許可は、キャバクラやスナックなど接待してくれるお店の他、パチンコ店、ゲームセンター、麻雀店などを営業する場合に必要です。
キャバクラやスナックなどの接客を行うケースであれば、原則的に女性及び男性による接待をするお店が対象となります。
営業時間は原則として午前0時までとなり、一定の繁華街では午前1時まで営業することができます。
風俗営業許可申請の流れとしては、まず保健所の飲食店営業許可を取得したうえで、風俗営業許可申請をすることになります。また、 飲食店営業許可申請をすると、市区役所の建築課と消防署にも連絡がいき、店舗が建設基準法や消防法などの基準を満たしているかどうかの検査をすることも多々あります。また、その際には消防署に防火対象物使用開始届出書の提出する必要もでてきます。
許可をとるための要件は大きく分けて3つあります。人的要件、構造要件、場所的要件です。
ネックとなるのが場所的要件です。営業できる場所が決まっており(用途地域)、さらには、学校や保育園など(保全対象施設)からお店までの距離が一定程度離れている必要があります。
この場所で営業しようと思い、賃貸契約を結び、内装を整えたものの、場所的要件を満たせず、許可がおりないというケースもないではありません。大きな繁華街など場所的要件が関係のない地域もありますが(特定地域)、特定地域でないケースでは、場所的要件を満たしているかどうか綿密な調査が必要になります。
申請窓口は、最寄りの警察署となりますが(許可は都道府県公安委員会)、申請が受理されてから許可がおりるまで、最大で55日間かかるので、スケジューリングが重要となります。
当事務所でお手伝いできること
風俗営業許可申請は、場所的要件の確認が一番重要です。申請する店舗で風俗営業ができるかどうかが判明してはじめて先に進むことができます。
以前、スナックやキャバクラを営業していたから、大丈夫だろうと思って申請すると、実は、近くに保育園などができていたなど、申請ができない場所になっていることもあります。
保育園などの保全対象施設がないかどうかを確認するのはなかなか骨の折れる作業なので、当事務所にご依頼いただけるとご面倒な手間が省けます。
店舗を決める段階から場所的要件の確認もいたしますので、お気軽にご相談いただければと思います。
風俗営業許可の申請において、もうひとつ厄介な点は、店舗の図面作成です。
店舗の間取りや照明・音響設備など、風俗営業許可申請独特の図面作成が必要になります。店舗の広さを求める際も、客室と調理場の分け方からはじまり、計算式を記載したうえで広さを求めなければなりません。
こちらも結構大変な作業となり、図面が正しく作成されているかを浄化協会が確認をするので、しっかりと作成する必要があります。
このように風俗営業許可申請は、独力で申請するのが難しいので、ぜひご依頼いただければと思います。
また、スナックやキャバクラの場合、風俗営業許可申請前に保健所で飲食店営業許可が必要になり、さらに消防関係の届出書などの提出もあるので、まとめてご依頼いただけると素早い申請が可能となります。
風俗営業許可申請
スナックやキャバクラなど接待をともなう風俗営業許可申請をいたします。
麻雀店の営業許可申請
麻雀店の営業許可申請をいたします。
特定遊興飲食店営業許可
ナイトクラブやライブハウスその他設備を設けて客に遊興をさせ、深夜に客に酒類を提供する特定遊興飲食店営業許可の申請をいたします。
風俗営業の種類
風俗営業には、以下の種類があります。どの種類の営業であるかによって、構造的要件などが変わってきます
●第1号営業(キャバクラ クラブ 接待をしないスナック)
キャバレー、待合、料理店、カフェーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興または飲食させる営業
●第2号営業(低照度飲食店)
喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食させる営業で国家公安委員会規則で定めるところにより計った営業所内の照度を10ルクス以下として営むもの(第1号営業に該当する営業として営むものを除く)
●第3号営業(区画席飲食店)
喫茶店、バーその他の設備を設けて客に飲食させる営業で、他から見通すことが困難であり、かつ、その広さが5平方メートル以下である客席を設けて営むもの
●第4号営業(麻雀店 パチンコ店など)
まあじゃん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊戯をさせる営業
●第5号営業(ゲームセンター等)
スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの(国家公安委員会規則で定めるものに限る)を備える店舗その他これに類する区画された施設(旅館業その他の営業の用に供し、またはこれに随伴する施設で政令に定めるものを除く)において当該遊技設備により客に遊技させる営業(第4号営業に該当する営業を除く)
※接待は、風俗営業において重要な意味を持ちます。とくにスナックなどについては、接待をするかどうかが風俗営業の許可が必要かどうかの分かれ目になることがあるからです。
接待の定義は、「歓楽的気分を醸し出す方法により客をもてなすこと」です。
スナックなどについていえば、お客の近くに座り、話相手になったり、水割りなどを作り提供する行為が接待になります。また、お客と一緒に歌ったりする行為も接待にあたります。
ただ、お酌をしたり、水割りなどを作りはしても、すぐにその場を立ち去ったり、カウンター内で単に客の注文に応じて酒などを提供するだけの行為は接待にはあたりません。また、社交儀礼上の挨拶や若干の世間話も接待にはあたらないとされています。
一応、接待に関しては、上記のような解釈がなされていますが、ケースバイケースなので、接待にはあたらないとは思っても、警察や行政書士に相談をしたほうがいいでしょう。
風俗営業の許可要件
風俗営業の許可を取得するには、以下の要件を満たさなければなりません。
●経営者に欠格要件がないこと(人的要件)
●お店の構造や設備が適していること(構造要件)
●風俗営業が可能な場所にあること(場所的要件)
詳細は以下のとおりです。
人的要件
経営者(許可の申請人)が以下の要件に該当すると許可が取得できません。
1.成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ない者
2.1年以上の懲役、禁錮の刑を受け、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
3.風営法や刑法など一定の罪を犯し、1年未満の懲役、罰金の刑を受け、その執行を終 わり、または執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
4.集団的、または常習的に暴力的不法行為その他の罪にあたる違法な行為で一定のものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
5.アルコール、麻薬、大麻、あへん、覚せい剤の中毒者
6.風俗営業の許可を取り消され、取消しの日から起算して5年を経過しない者
(法人の場合は、取消しについての聴聞の期日、場所が公示された日前60日以内に取締役など法人の役員であった者で取消しの日から起算して5年を経過しない者を含む)
7.風俗営業の許可の取消処分についての聴聞の期日、場所が公示された日から処分をする日または処分をしないことを決定する日までの間に、許可証の返納をした者(例外あり)で返納の日から起算して5年を経過しない者
8.上記7の期間内に合併により消滅した法人、許可証を返納した法人(例外あり)で上記 の公示の日前60日以内に役員であった者で合併消滅の日または許可証返納の日から 起算して5年を経過しない者
9.上記7の期間内に分割により、上記7の聴聞についての風俗営業を承継もしくは分割により風俗営業以外の風俗営業を承継した法人(例外あり)、またはこれらの法人の上記7の公示の日前60日以内に役員だった者で分割の日から起算して5年を経過しない者
10.営業について成年者と同一の能力をもっていない未成年者(未成年者が風俗営業者の相続人であり、未成年者の法定代理人が上記1~9までのいずれにも該当しない場合は除く)
11.法人の役員で、上記1~9までのいずれかに該当する者があるもの
構造要件
店舗の要件です。下記の要件は、第1号営業のキャバクラやスナックなどの要件となります。他の営業につきましては、お問い合わせください。
1.客室の床面積は、和室の客席については1室の床面積を9.5㎡以上とし、その他のものにあっては1室の床面積を16.5㎡以上とする(客室が1室の場合は除く)
2.客室の内部が営業所の外部から容易に見通すことができないものであること
3.客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと
4.善良の風俗または清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾そのたの設備を設けないこと(女性の裸体写真など)
5.原則として、客室の出入口に施錠の設備を設けないこと
6.営業所内の照明が5ルクス以下とならないこと
7.計測した騒音・振動の数値が条例で定めた基準を満たしていること
場所的要件
店舗の所在地にかかる要件です。以下の要件は、東京都のものとなります。
用途地域 | 保全対象施設 | 距離 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
近隣商業地域 | ・学校(大学を除く) ・図書館 ・児童福祉施設 | 100m | ||||||
・大学 ・病院(第1種助産施設を含む) ・診療所(8床以上の入床設備あり) | 50m | |||||||
・第2種助産施設 ・診療所(7床以下の入床設備あり) | 20m | |||||||
商業地域 | ・学校(大学を除く) ・図書館 ・児童福祉施設 | 50m | ||||||
・大学 ・病院(第1種助産施設を含む) ・診療所(8床以上の入床設備あり) | 20m | |||||||
・第2種助産施設 ・診療所(7床以下の入床設備あり) | 10m | |||||||
その他の地域(住居地域は含まない) | ・学校(大学を含む) ・図書館 ・児童福祉施設 ・病院 ・診療所(入床施設あり) | 100m | ||||||
申請に必要な書面
許可申請に必要な書面は以下のとおりです。
申請書類及び添付書類 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
申請書類 | ・許可申請書 ・図面等 ・誓約書等 | |||||||
添付書類 | ・住民票 ・身分証明書 ・使用承諾書(店舗の所有者から貰います) ・店舗の賃貸借契約書 ・建物の登記事項証明書 ・メニュー表・料金表 ・飲食店の営業許可証の写し ・管理者の顔写真 | |||||||
上記は、個人で申請する場合の書面です。法人の場合は以下の書面も必要になります。また、事案及び申請する警察署によ提出する書面が異なることがあります
・住民票・身分証明書(役員全員分)
・法人の登記事項証明書
・定款の写し
ご依頼から風俗営業許可申請の流れ
ご依頼をいただいてからの申請までの流れは以下のようになっております。
お打ち合せ
ご相談・ご依頼等ありましたら、お気軽に、電話またはお問い合わせメール等にてお願いいたします。
人的要件・構造要件・場所的要件の調査
要件を満たしているかどうかの調査をいたします。
申請書面の作成
必要書面などを集め、申請書を作成いたします。また、店舗の測量を行い、図面作成を行います。
管轄の警察署への申請
所轄の警察署に申請書の提出をいたします。申請手数料は、キャバクラ・スナックなど第1号営業の場合は、24,000円です。
浄化協会等の調査
浄化協会等が店舗の調査をいたしますので、立ち会いをいたします。
警察署からの許可のご連絡
許可がおりると警察署から連絡があります。基本的に連絡があった日より営業できます。
許可証の交付
許可の連絡から1週間から2週間ほどして許可証が交付されます。