Q 相続人が認知症のため遺産分割協議ができず成年後見制度を利用しようと思っています。遺産分割協議が終われば、成年後見を終了することはできますか?
A 成年後見は開始すると、本人の判断能力が回復するなどの理由がないと終了しません。基本的には本人が亡くなるまで成年後見を続けることになります。
Q 兄の後見人をしていますが、父が亡くなり、遺産分割協議をすることになりました。兄の代理として遺産分割協議をしても大丈夫でしょうか?
A 相続人としての立場と後見人としての兄の代理人としての立場があるため、兄が相続する財産を少なくし、自分が相続する財産を多くする可能性があります。
そのため、遺産分割協議にあたって、自分に成り代わり兄の代理人として、家庭裁判所に特別代理人の申立てをする必要があります。なお、後見監督人(相続人ではない)がついている場合には後見監督人が兄の代理人となるので、
特別代理人の申し立ては必要ありません。
Q これまで後見人を続けてきましたが、自分も高齢になったので、後見人を続けていくことが難しくなりました。後見人をやめることができますか?
A 高齢や病気など「正当な事由」があれば後見人を辞めることができます。ただ、家庭裁判所に辞任の申立てを行い、許可を得る必要があります。
Q 本人は判断能力はしっかりしているものの、身体に障がいがあります。身体に障がいがある場合でも成年後見制度を利用できますか?
A 認知症や知的障害など判断能力が低下しているときだけ成年後見制度の利用ができます。そのため、身体だけの障がいの場合には、成年後見制度は利用できません。
預金の管理などなど生活に不便をきたす場合には、財産管理等委任契約を利用すると良いでしょう
Q 成年後見人に、本人の介護もしてもらいたいのですが、お願いできるのでしょうか?
A 成年後見人は、本人の介護はできません。ただ、介護事業所などと契約ができない本人に代わって、契約を結びヘルパーさんなどをお願いすることができます。
Q 父の後見人をしていますが、本人の親族でも後見人として報酬はもらえるのでしょうか?
A 親族であっても報酬を受けることはできます。その場合には、家庭裁判所に「報酬付与」の申立てをします。報酬金額は家庭裁判所が決めます。